シマダグループ株式会社さまが運営のホテルに併設されているレストラン 「 Bar & Restaurant COCONOMA 」(以下、COCONOMA)のレストラン向けに、朝食ブッフェやランチなどで使うグルテンフリーの素材を提供させていただきました。
「Bar & Restaurant COCONOMA」の詳細はこちら
https://www.coconoma.jp/ご相談内容
COCONOMAは海外からのお客さまが多くいらっしゃる、六本木にあるホテルです。グルテンフリーやベジタリアンのご要望いただくことがあり、代替の商品なども使いながらご対応されていましたが、忙しい時間帯など、限られたキッチンスタッフで対応しなければならないときにクオリティの高い料理を一から作ることが難しい、という課題をお持ちでした。また、カフェタイムには近隣住民の方にご利用いただくことも多いことから、店頭販売の商品も検討されていました。
- 〈お困りごと〉
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- 経験の浅いスタッフや、人数が少ない時でも、提供できるオペレーションにしたい
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- 現在使用しているグルテンフリー対応商品を使った時よりもクオリティの高い料理を提供したい
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- 店頭販売できるものやグルテンフリー・ベジタリアン対応のメニューも開発したい
対応したこと
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- 特定原材料等28品目不使用のパン・麺のご提供
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- 試作サンプルを提供しながらのフィードバックのやりとり
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- フィードバックを受けての商品アップデート
導入背景や商品ご提供までのやりとり、導入後の変化などを、COCONOMAの料理長 御須さまに伺いました。

料理長 御須裕正さま
— 本日はよろしくお願いします。早速ですが、マトイルを導入いただいたきっかけをお聞かせください。
COCONOMAには海外からのお客さまが多くいらっしゃるので、グルテンフリーやベジタリアンなどのご要望が多く寄せられます。以前からアレルギー対応の食材で色々と試していましたが、味がよくなかったり選択肢が少なかったりして。グルテンフリーやベジタリアンの人に、おいしいと自分たちで思えていないけど出せるものが他にないし、お客さまもそれでいいと言っているからと妥協することもありましたが、やっぱり提供している側もすごく違和感がありましたよね。そんなときに、グループ会社の関係者からマトイルさんのことを教えていただきました。
— COCONOMAさんには米粉でお作りしている特定原材料等28品目不使用のバゲットと麺をご利用いただいていますね。お使いいただいて、いかがでしたか。
バゲットは朝食、麺はランチやカフェタイム、ディナーで使っています。導入してみて、現場のスタッフから「こんなものあるんだ」「すごくおいしい」などの反応がありました。マトイルさんの商品は実際に食べておいしいですし、自社で作られているので色々な提案をしていただきますよね。もう2年ほどお付き合いさせてもらっていますが、その進化がすごいなと感じています。


(右) ご提供しているマトイルの米粉のバゲット
(28品目不使用)

(右) ご提供しているマトイルの米粉のバゲット(28品目不使用)
— ありがとうございます。進化とは、どんなところで感じていただけているのでしょうか。
商品の種類もそうですし、クオリティもどんどん改良されていて。私自身も、ベジタリアンメニューなどもっと工夫できないかと試作してみるんですが、どうしても乳を使わないと難しかったり。先日ご提案いただいたガレットブルトンヌを食べた時に、バターも使わないのにどうしてこんなコクが出せるんだろうと驚きました。

— そう言っていただけると嬉しいです。他のお客さまの様々なご要望を受けてレシピを開発するうちに、「このメニューもこうやったらよりおいしくなるんじゃないか」と元々あるレシピを改良することがあるんです。
— 御須さんはマトイルの商品をそのままではなく、ご自身で「こう使うとおいしくなる」という方法をいつも試されていますよね。
いつもその食材がおいしいと感じるポイントを見極めて、ひと手間を加えるようにしています。例えば米粉のバゲットは、朝食ブッフェでそのまま提供してお客さまにトースターで焼いていただくよりも、フレンチトーストのような形で完成されたものを出した方がおいしく食べられると考えました。その場に置いておくと米粉パンの性質上、どうしても固くなってしまうので、卵に浸してあげることでよりおいしく召し上がっていただけていると思います。それに、マトイルさんの商品を使わせてもらっている以上は、それをそのまま使用するのではなく、商品のよさをもっと伝えられる形にしたいなと。
— お客さまによって機材やスタッフの人数、調理のレベルなどもわからないので、どのように商品をお渡しするのがいいのか、私たちもいつも悩みながら開発しています。そんな中、COCONOMAさんのように料理を提供される現場の方が最適な方法を考えてくださるのは本当にありがたいです。
例えばデザートも既製品を使っているわけではなく、出来る限り一から作っています。全部既製品となると楽ですが、スタッフのモチベーションもそうですし、料理人としてどうだろうと考えてしまって。グルテンフリーやベジタリアン対応メニューは難しい面もありますが、試行錯誤して新たな商品を提供できるようになるのがとっても面白いと思います。スタッフたちも「これが28品目不使用だったらグルテンフリーでも使えるな」とか、楽しんで取り組んでくれていると思います。

—COCONOMAさんは、一般のお客さま向けのサービスを提供してきたマトイルが初めて企業さまに商品提供した企業さまでもあります。これまでも多くのフィードバックをいただいていますが、今後マトイルに期待することはありますか。
夜の時間帯はスタッフが限られているので、お湯を注ぐだけで作れるようなものや、常温で保存ができる乾麺などが欲しいと思っています。小麦粉と違い、米粉の場合は折れやすくなってしまうなど技術的に難しいところもあると思いますが、もし開発してもらえたらとても助かりますね。
それと、完成品ではなく、生地玉みたいな素材の状態で提供してもらって、こちらで焼くなどできると、より色々なものを出せるようになりそうですよね。やっぱり生地が一番難しいものだと思うので。今は海外の旅行者が多いですが、近所に住んでいる方がヴィーガンやグルテンフリーを求めてお店に来ていただけるようにしたいと考えていて、お客さまの層が広がっても対応できるようになると思います。
— 今後もサンプルなどを提案させていただきながら、様々な商品開発をご一緒できるととても嬉しいです。本日はどうもありがとうございました。

マトイルの裏エピソード
企業さまにマトイルの商品をご提供するのは初めてで、最初は私たちも分からないことだらけでした。そのため、たくさんヒアリングさせていただいて、数多くの商品を試していただきました。御須さんにお話を伺うたびに、「今はこんな風に使っている」と楽しそうにお話いただけて、「次はこんな商品を作ってみたい」「こんな商品あったらいいのにな」とご相談いただけるのは、マトイルの新商品が出来るきっかけにもなります。米粉のバゲットを使用していただいている中で、もう少し長いバゲットは作れないかというご相談もありました。フレンチトーストを提供する際にバゲットの両端を切り落とすため、ロスを少なくしたかったとのこと。しかし、現在のマトイルの機材では、今以上の長さのバゲットのご提供は難しく、ご希望に添えないこともありました。今後はそのようなご要望にもお応えできるようになりたいです。特別対応のお食事に関しても探求心をもって、モチベーション高く取り組まれている姿を見ると、私たちの刺激になりますし、なにより励みになります!